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強い発言力を持つ米国が、「今後は合併審査に効率性も考慮する」との方針を打ち出したからだ。
米国では「産出量の制限」「経営効率向上の遅れ」「研究開発の遅れ」「価格競争の制限」などの弊害を背景に、独占禁止法が巨大企業の誕生を抑え続けてきた。 競争が制限され、国民が不利益を得るとの考えがあったからだ。
そこには、合併企業の効率などは審査基準にさえのらなかった。 競争政策委員会での米国の発言は、そうしたこれまでの審査基準を大きく変えることを意味したのである。
すなわち、合併によって業界の競争が損なわれる場合でも、合併企業の経営効率が上がることで得られる国民の利益のほうが多ければ、合併を承認することになったわけだ。 実際、97年4月に改正された独禁法には、効率性に着目する文書が盛り込まれた。
改正独禁法の適用第1号とされるのが、BとMの合併。 米国に2社しかない民間航空機メーカーが合併するなどということは、従来なら考えられないことであったが、FTC(米連邦通商委員会)は無条件で承認した。
世界市場では欧州にエアバスがあり、合併により国民が得る利益のほうが国内での競争がなくなるより大きい、と判断されたためだ。 この合併を契機にして、米国企業には一気にM&Aブームが訪れた。
さらに、M&Aは大西洋を超えて欧州に飛び火、欧米をまたぐ超大型合併劇の引き金になった。 前者はSとT、後者はDとCが代表例だ。

こうした米国の方針変更に、日本の公正取引委員会も追随しているかのような動きを示している。 M石化とM化学の合併で、これまでとは異なる判断を打ち出したからだ。
これまで公取には、「25%ルール」があったといわれる。 合併後のシェアが25%を超える合併は認めないとしていたものだが、97年4月に届けられた3井石化とM化学の合併では、フェノールの国内販売シェアが50%を超えるにもかかわらず、無条件で認可したのである。
審査後公表された見解では、「25%ルール」などは存在しないことと、シェアは輸入商品との競合関係も判断材料にすることを明らかにした。 この”規制緩和”を受けて合併に踏み切ったといわれるのが、CとNだ。
グローバル企業が巨大化をめざしているのは、これと同じ原則が働いている。 同じ土俵で同じやり方で戦えば、トップ企業が断然有利であり、強い企業にますます資金や人材が集まる。
たとえば、日本の企業が海外と取り引きをしようという場合、まず最初に聞かれるのは「日本での地位は?」だ。

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